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「仕事に人種は関係ない!」外国人の研修で利用される道場施設とベテラン講師

栃木県那須塩原市で建設業の新人育成、即戦力職人を育成している職人道場です。

幅広い業種にて研修を提供し、それぞれ考え抜かれたカリキュラムで未経験の方、多能工を目指す方、日本に来たばかりの外国人社員さんなど、徹底指導しています!

 

職人道場は企業の外国人社員さんの研修で累計140名以上方にご利用いただきました。

今回は外国人社員さんへの指導について、職人道場を代表するベテラン講師である長口修子に聞きました。

外国人技能実習生、多能工、建設業の職人育成は職人道場

■日本人は偉い?外国人社員さんの固定観念

インタビュアー(以下、イ):職人道場で研修を受ける外国人社員さんはどこの国の方が多いですか?

長口:ベトナムやフィリピン、インドネシア、ネパールなど様々な国の方がいます。文化や宗教によって、例えば食生活では豚肉や牛肉が食べられない、断食の日があるなどの違いがあります。

イ:外国人社員さんにはどのような傾向がありますか?

長口:外国人だからと言って一括りにはできません。日本へ留学後に就職している方と、母国の組合を通して仕事が決まってから来日する方とでは、生活も大きく異なります。

ここにくる外国人のほとんどの方々は「僕たちは〇〇人だから」という線引きをしています。どんなに日本人が歓迎しても、「〇〇人だから日本人に意見を言ってはいけない」というふうに思っているんです。

「日本人は偉い」と思っているんです。

仕事の出来に関わらず、「日本人だから例え仕事ができなくても偉い」という認識が強いのです。 

■道場で学べる仕事の意味や目的、コミュニケーション

イ:職人道場で研修を行うことで何が学べますか?

長口:道場に来た外国人の方で、過去に日本で3年間仕事をし、一度帰国してから再度日本へ呼び戻してもらえた方がいました。その方はすごく仕事ができて、仕事の方法は知っているので指示をもらえばできるんです。でも「なぜこれをやっているのか」がわからないまま、今まで働いていたんですね。

彼は仕事の意味や目的を学ぶために研修を道場で受けることにしたそうです。「この作業はこのためなんだよ」「だからこうやるんだよ」という一つ一つの作業の理由を学ぶためです。また、一緒に来た外国人の方3名は日本語のレベルにばらつきがあったので、語学の向上も目的の一つでした。

彼らは研修を終えたら、会社で同じ国の人たちのリーダーになる人たちでした。ここへ来た時は各々仕事はできるのに、日本人に対してずっと遠慮ばかり。リーダーとしてやっていくには、日本人ともしっかりコミュニケーションをとらなければなりません。

外国人技能実習生、多能工、建設業の職人育成は職人道場

■リーダー交代制のチーム学習で見えたこと

長口:そこで外国人3人を3チームに振り分けて、日本人と同じチームに入ってもらいました。そうすれば日本語も覚えられるし、日本人に対してもリーダーシップをとらなければなりません。日本人や他国の人にも教えなければならない環境を作って、全員交代でリーダーをさせたのです。そうすれば、自分がリーダーの時にメンバーに何をしてほしいかがわかりますよね。

リーダーを交代制にしたことで、リーダーにやってほしいこと、メンバーにやってほしいことがたくさん見えてきました。その中で、ちゃんと仕事をするには日本人もベトナム人もフィリピン人も関係ないということを話しました。同じ国の人だけにとってのリーダーであっても仕方がないし、「〇〇人だから」という考え方はしない方がいいよと。

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■日本人に萎縮してしまう理由

長口:先日来た外国人の方も、「私たちは来日したばかりだし、〇〇人だから」と言っていました。 一部の組合では「何とかして日本人に気に入られろ」「 日本人の言うことはちゃんと聞け」と徹底的に指導されているんです。だから日本人側がどれだけ歓迎しても遠慮してしまうんですね。

イ:組合の指導の違いによって、イメージしている日本での生活が異なると。

長口:組合によっては「日本人が右と言えば右、左と言えば左」と、日本人には絶対に逆らってはいけないと言われています。でも、どこから来た人も「お金を稼ぎたい」「日本で暮らしたい」などの夢を描いて日本へ来ているのです。若く未婚の外国人の方が増えているのも、将来的な日本への憧れがあるからなんですよ。

■外国人が日本で働く理由の変化

長口:昔は母国の家族を食べさせるために日本で働くというスタイルが多かったので、家族のために頑張って仕事を覚えようとする方が多かったです。今は母国に家族のいる方は、以前の半分以下になってきています。若くて未婚で彼女もいないという方が多いのです。

外国人社員さんはお金を稼ぐために日本へ来ていますが、母国にいる伴侶や子供のために働くという方はどんどん減っています。将来も日本でずっと生活したいという考えなんです。今後は日本も外国人がずっと働けるような雇用体制になるはずなので、外国人社員さんの雇用も増え続けると思います。

企業は外国人を採用して何か問題があればすぐに組合を変えます。だから組合では「日本人の言うことは絶対に聞け」「そうでなければすぐに国へ返す」などと厳しく指導するんです。日本へ来る前からそのように言われているんです。

■認識のギャップが生んだコミュニケーションの間違いを正す

イ:母国でかなりのプレッシャーをかけられて日本へ来ているのですね。

長口:紹介組合と受け入れ先の企業との間で、認識の違いがあります。職人道場で研修を実施する企業は、きちんと体制がつくられている会社です。日本人だけでなく外国人も大切にして、共に成長し共存していこうとしている会社が多いのです。

会社が職人道場に求めているのは「外国人にも仕事を楽しんでほしい」「自分の会社の社員として仲良くしてほしい」ということです。仕事が円滑に回ればそこでお金も生まれるからです。

それなのに日本人に対して萎縮して、コミュニケーションがとれない。組合から「いつも笑顔でいればいいから」と指導されていると、本当に常にニコニコ笑っているんです。失敗しても笑っている。それを見た日本人からは「ふざけている」と受け取られてしまいます。

イ:間違った指導のために、間違ったコミュニケーションになってしまうと。

長口:職人道場では「ニコニコ笑っていれば大丈夫」 ではなく、ちゃんと自分でコミュニケーションをとるということを徹底して学んでもらっています。どんな状況で日本へ来ていたとしても、研修修了時に外国人の方がみんな言うのは「ここに来て良かった」という一言です。

「こんな日本人たちがいるんだ」と。「自分の会社の社長や先輩も一緒なんだとわかった」と毎回言われます。

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■国や言葉は違ってもコミュニケーションの方法は同じ

イ:仕事に人種は関係ないということを理解しているかどうかは大きいですね。

長口:何のために「笑え」と組合で指導されているのか。フィリピン人だと英語も通じるので、同じケースを片言の英語で伝えるんです。「自分たちの国に日本人が来たとします。一生懸命仕事を教えると、いつもニコニコしています。でもダメなことをして怒られたときもニコニコ笑っていたら、あなたはどう思う?」と。

するとみんな「腹が立ちます」 と答えます。そこで「言葉や風習は違うかもしれないけれど、コミュニケーションの方法はどの国も一緒だよ」と。そうやって理解してもらいます。

イ:外国人が日本人に萎縮しているという状況に、会社では気づけないのでしょうか?

長口:これって「おはようございます」から「お疲れ様でした」の間だけでは、わからないことです。研修では現場を離れて様子を見られるので、内面がわかりやすいのだと思います。よく食事中に「私たちは日本人へこう接しなければいけないんですよ」という話が出てきます。「そんなことはないよ」と、そこで初めて気づくことができるのです。

■日本人に対する心の壁を壊してあげたい

イ:そういった気づきはどのように会社さんへ報告するのでしょうか?

長口:私たち講師が付き添って見えたことをAさんはこういう感じ、Bさんは、Cさんは、と1人1人についてお伝えします。これからリーダーになるのであれば、日本人のリーダーと同じレベルにならなければなりません。日本人に自分の意見を言えなければコミュニケーションになりませんし、今後もずっと日本で暮らすのであれば尚更、日本人に対する壁を壊してあげたいんです。「だからこういう班の編成でやりませんか」とご提案もします。

研修後、本人へのイメージが変わって「こんな一面があったんだって、知って驚きました」 と社長からご連絡をいただくこともあります。

■日本人と外国人の信頼がもたらす相乗効果

イ:様々な国の方が一緒に研修を受けることでどのような効果がありますか?

長口:外国人の方はとても素直なんです。そこに日本人は心動かされます。

日本語も喋れないのに道具の名前を覚えたり、研修が終わってからも作業や日本語を勉強している姿に胸を打たれます。「僕たちは日本語も喋れるのに」と、甘えている自分たちがカッコ悪いと思うんでしょうね。外国人社員さんの頑張りは、日本人のモチベーションも上げるんですよ!

 

 

職人道場で研修を受けた外国人の方々が、会社で即戦力として活躍します。日本人への刺激になり、会社全体の雰囲気が変わります。

外国人社員さんの育成をお考えの方は、職人道場へお気軽にお問い合わせ下さい!

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