建設業で「求人来ない…」が、当たり前になっていませんか?
「建設業は人手不足が当たり前だから、求人来ないのは普通だ!」なんて諦めるのはまだ早いです。
求人に応募がこない理由について、労働人口が足りないから?建設業だから?自分の会社に魅力がないのか?…などと検証し、トライ&エラーを繰り返しながら、自社なりの成功事例を見つけていくことが大切です。
今回は自社なりのトライ&エラーの方法について具体的な例を挙げながら下記にまとめました。
求人来ないなら…出す方法を考える!
【 事 例 】
あなたは、リンゴを買いに食料品売り場に来ました。
どちらも同じ品質で同じ価格なら、<A>と<B>のどちらの売り方のリンゴを購入しようと思いますか?
<A>
商品の隣に「青森県産、糖度13%、美味しいリンゴ」と書かれた看板が置かれている
<B>
商品の隣にスタッフがいて「青森県産の糖度13%の美味しいリンゴです」と声をかけている
簡単ですね、興味を惹くのは大抵の場合、<B>だと思います。
しかし、なぜ<B>なのでしょう。
<B>のスタッフが綺麗な女性であったりしたら分かりやすく興味を持つかもしれませんが、<A>と<B>の確固たる違いは、お客さんの目に留まるか・印象に残るかです。
そして<B>は、どういう人が目の前を通ったのか、どういう人が購入したのかという情報が分かります。
求人も同じで、求職者の目に留まるか・印象に残るかが大切で、あとは応募するためのきっかけを提供すれば、「話を聞いてみよう」「面接を受けてみよう」と思ってくれます。
リンゴは「興味を惹いて、購入させる」がゴールですが、求人の場合は「興味を惹いて、応募させる」そして、「入社させて長期的に雇用する」の2ステップを要します。
リンゴを購入するまでの消費者の行動や心理、道筋を、情報とアイディアを用いてイメージを膨らませながら、トライ&エラーを繰り返して確立していくことで、きっと応募が来るようになるでしょう。
では、どうしたらいいのでしょうか。
ステップ1:興味を惹かせて応募へ
AとBの決定的な違いは、もうひとつあります。それは情報
昨今、紙媒体の求人にあまり力がないと言われるようになりましたが、なぜでしょうか。
若い求職者側からすると、PCやスマートフォンを用いる習慣があるので、求人誌や新聞の求人折り込みチラシを目にする機会が減ってきています。
求人側…つまり、こちら側からすると、一概に紙媒体は効率が悪いとは言い切れないとしても、どれくらいの人に見られたのか、どんな人に見られたのかがわからず、効果が出なかった場合に次の戦略が考えにくいという点が挙げられます。
例えば、前述の「リンゴ」で言うと、<A>の看板は「紙媒体」を指しています。
この場合は、ご想像の通り、看板では何人の人が見てくれたのか分かりませんし、どんな人だったのかも分かりません。
<B>の対面は、「若い男性が足を止めてくれた」「50代くらいの夫婦が買ってくれた」などの情報が分かります。こういうことがWEB上で情報として得られるのが、自社ホームページや就職サイト、LINEなどのSNSを使ったWEB媒体の成せる技です。
◆わかることの一例
・何人が見てくれたのか
・どんな人が見てくれたのか
・どのくらいの時間、見てくれたのか
・そのうち、自社ホームページを見てくれたのは何人か
・そのうち、応募してくれたのは何人か
「応募」という行為に至る前までの情報を分析することで、もっと効果的な求人募集を作ることができます。
WEB媒体やSNSは、情報を分析しながら対応方法を調節することもできるのです。
また、<B>の対面販売と同様で、就職フォーラムといったイベントもあります。
「就職フォーラム」などのイベントへの出展は、求職者に直接語りかけられるためさらに効果があると言えるでしょう。
ステップ2:すぐに辞めない社員求職者の目から見た、あなたの会社とは…
求人を出して応募が来るための方法について説明してきましたが、いざ、応募が来るようになっても、面接に来なかったり入社しなかったり、また早期に辞められたりしたら、これまでの努力は水の泡です。
大企業では、人事に採用担当者が社員教育も一緒に担当しています。採用と教育は表裏一体なのです。
・どんな会社なのか
・将来的に、どんな会社にしたいのか
・そのために、どんな人材が必要なのか
・その人材をどのように成長させたらいいのか
これらの軸を揃えずに、ただ「人材が欲しい」と言っても、求職者が会社に魅力を感じません。
また、社員の紹介による採用=リファラル採用は、優秀で長期的な人材を採用することができますが、
まず、既存の社員が「良い会社だから、知り合いにも勧めたい」と思っていなければ成り立ちません。
建設業はブルーオーシャン
どの業界も同じですが、採用については特効薬がありません。
一般的に、建設業は戦略を立てて採用活動をしている会社は大規模企業の一部なのではないでしょうか。
新卒採用に多額の予算を投じて数名を採用しています。
これを中小企業や、独立した職人さんが真似ることは難しいですが、方法によっては資金は関係なく、会社をアピールすることが可能です。
資金や人材の面では大企業には及びませんが、建設業に限らず様々な業種の企業の採用方法を研究したり、自社のWEBサイトをGoogle アナリティクスを用いて検証したりとアイディア次第で、まだまだ伸びていくはずです。
今のうちに人材確保をしておけば、これからますます高まる建設業への需要に余裕を持って準備ができますし、会社はもっと成長していきます。
今日、このページを読んだことをきっかけに、採用ブルーオーシャンである建設業での人材採用について考えてみてください。
これまで、建設業の求人だから応募が来ないのではなく、会社の魅力を、求職者が受け取りやすい方法で伝えることが大事だとお話してきました。
最後にお伝えしたいことは、「ものづくりが好きな職人候補者の人は思っていたよりも多くいる」ということです。
プロ並みのDIYを趣味としている人や美大生など、今は職業として職人を選ぶこという意思を持っていなくても、そういう人達に届くように情報発信をしていけば、きっと興味を持ってくれるはずです。
私たち建設業は29業種あって分業化されていることを、私たちは当たり前のこととして知っていますが、多くの職人候補者は「職人=家を新築する大工さん」というイメージで止まっているのではないでしょうか。
求人や自社ホームページなどを通じて、そのような候補者に対して情報を発信していくことも大切です。
今は情報があるから、その中で欲しいひとに届くかたちで情報を発信していくことが、求職者や職人候補者から選ばれるきっかけとなります。
「求人に応募がくること」を考える前に、情報を伝える方法、伝える内容、伝えたいターゲットを見直してみましょう。そのための、人材を受け入れるための環境作り、人材が職人として活躍し続けてくれるための社内組織や社員教育を見直すことも大切です。
社員教育の見直しには、職人道場が有効です。人材不足から職人の技術養成まで様々な成功事例がある「職人道場」へご相談ください。