【導入企業インタビュー】繁忙期の人手不足を解消。現場管理からクロスの研修へ。
栃木県那須塩原市で建設会社様向けに、即戦力となる職人を育成する場を提供している職人道場です。
未経験の方や多能工を目指す方に、幅広い業種の人材育成に特化した研修場を提供しています!
職人道場は自社の新人教育制度として求人や会社のホームページなどにも掲載することができます。
今回取材させていただいた「株式会社スタイル様」では、住居・店舗・オフィスの設計〜施工〜管理が主な業務であり、日頃から専門工事会社に仕事を発注しています。しかし繁忙期は人手不足に頭を抱えることもあったそうです。
そこで工事を内製化できないものかと、職人道場にご相談をいただき、社員の水本さんがクロスの研修に約1ヶ月ご参加されました。
ここでは板橋にある株式会社スタイル様の会社へ伺い、社長の小松崎さんに「職人を道場に送り出し何が変わったのか」お話を聞いてきました!
職人道場は個性を大事にした教育
インタビュアー(以下:イ):まず初めに、業務の内容を教えてください。
小松崎さん:弊社はリフォーム工事をお客さまから直接ご依頼いただくことが多い会社です。我々の業務は現場監督がメインです。
工事内容も種類が多くて、マンションの全面改装から網戸1枚の張り替えまで。自社で設計から行い施工することもあります。
そうなると覚えることは山程あります。広い領域の知識を持っている必要がありますが、浅過ぎず泳げるくらいの深さの知識は必要です。
その日によって現場で対応することも変わりますから、なかなか知識も経験も増えていかないというのが大きな課題です。
水本は未経験でこの業界に入ってきましたから、教育をどうしようかと考えている時にたまたま職人道場を見つけました。将来的には弊社も自社で施工ができればメリットが多いのですぐに問い合わせをしました。
イ:やはり繁忙期にはどこも人手不足ですが、職人さんは見つからないものなのですか?
小松崎さん:そうですね。そういうことはよくあります。
年末や年度末、人が動く秋口とかは多かったりします。あとは職人さんによりけりで、引っ張りだこの人もいる。こちらも普段から気にかけて、裾野を広げて何社かに声をかけるので、極端に工期が伸びるといったことはありませんが。
イ:水本さんがクロスできるようになればどうかわりますか?
小松崎さん:簡単な作業を社内で完結することができます。例えば、トイレ交換で、ついでに壁紙も張り替える工事って下手したらクロス屋が2回来ないといけないケースもあります。でも、クロスが社内でできれば水道屋だけ来てもらえれば完結するんです。
イ:2回来ないといけないのですか?
小松崎さん:そうです。中古の一戸建てを買った方がいて、トイレが2つあったので2つとも交換したいと言う依頼があったんです。それで水道屋さんもクロス屋さんも1人ずつなんで、2日かかって1つずつ作業しました。
イ:なるほど。そうしたらクロス屋の2日分の費用が浮くわけですもんね。
小松崎さん:そうですね。
イ:職人道場のお話を聞いていかがでしたか?
小松崎さん:ほぼ即決です。
弊社での需要を考えたらクロスが多いので、受けてもらうならクロス研修かなと。
イ:水本さんが道場に行っている間、担当の方とのやりとりはしましたか?
小松崎さん:講師の方にはラインで進捗の報告をしてもらっていました。
それからカメラで毎日の様子を見られるのでそれもちょこちょこ見ながら、こうして欲しいという思いを伝えました。教育プログラムに関する専門的なことはわからないので、思いや私の考えを伝えましたね。
イ:例えばどういう思いですか?
小松崎さん:物事を簡単に考えずに、そうじゃないよ、と。作業をやるだけではなく、なんのためにその作業をやるのかを口酸っぱく言ってくれとお願いしました。
それがお客さんのためであり、ゆくゆくは自分に返ってくるわけです。そのことを講師の方に言ってもらうように。あとは時間で区切って何分で仕上げるというカリキュラムなのですが、それも大事にしながら仕上がりのクオリティをより重視して欲しいと言いました。
5分かかって80点よりも6分かかって100点の方が僕はいいです、と。
当然5分で100点がいいんですけど、それは現場で仕事をこなすうちにどんどん上手くなると思います。
(職人道場での様子)
イ:講師の対応で印象に残っていることは何かありますか?
小松崎さん:全体的によく面倒を見てもらったと思います。
やっているカリキュラムの内容だけでなく、彼はこういう人間だからこういう指導の仕方で教えてみますとか、色々配慮してもらいました。
イ:その中で得た新たな気付きはありましたか?
小松崎さん:彼自身、何かを教えてもらうということがあまりなかったと思います。そういう面では良かったと思いますね。もちろん、仕事をしていて意識付けはしていたけれど、それでも毎日やることが違うので反復ができなくてなかなか覚えられなかったようです。
こちらも「それくらいできるだろ」と思ってしまうこともありました。
そういうのもあって1ヶ月間、集中してやるというのは良かったと思います。
イ:水本さんが1ヶ月抜けることはどうやって対応しましたか?
小松崎さん:弊社は10年以上私一人でやってきていましたから、そこまで大変な苦労というのはありませんでした。
イ:社員数が多い会社よりも融通が利きやすいということですか?
小松崎さん:そうですね。
イ:私はそこで悩んでいる経営者の方も多いのではないかと思っています。研修に出したいけれど目の前のことが…というような。
小松崎さん:そうですね。うちがクロス屋だったら難しかったかもしれませんね。クロスの仕事しかないときに何人か抜けてしまうと大変だから。でもうちは人を手配したり管理するのがメインだから利用しやすかったのかもしれません。
仕事に対する姿勢が変わった。しかし本番はまだまだこれから!
イ:水本さんが帰ってこられて一緒に現場行ったりしましたか?
小松崎さん:行きました。クロスが貼れるようにはなっていました。ですが私が思うに、職人道場で研修することは運転免許の取得と同じです。
免許を持っていても車の運転が上手い下手はあります。むしろそこからが本番で、事故を起こさずに安全に運転できるようになるというのはこれからの話です。
その辺は職人道場で学んだこと以外にも、やり方はいくらでもあります。早くするには、綺麗にするには、そのためにはいろんな方法がある。1ヶ月ではそこまでわかりませんから、これから実践でわかるのかなと思っています。
イ:免許を取得して、実践的な柔軟さや上手さを身につけていく、というところを会社としてはどうサポートしていこうと思っていますか?
小松崎さん:サポートよりも、あとは自分次第なんですよ。
できるようになったからやらされているというだけでなく、「これが俺の稼ぎなんだ」と早く自分の自信に繋げて欲しい。
そうなると今度は自分で営業できたり、大きく変わります。そして最初から言っていたことなのですが、ゆくゆくはクロスの技術資格の一級取得を目標にさせています。
イ:会社側から目標を持たせるというのはこの業界であまり聞いたことがない気がします。
小松崎さん:そうですね。あまりないかもしれません。
しかし目的がないと次がありません。目標を持ってそこまでを目指す。
そうすれば動き方も変わりますよね。
「じゃあ今何ができるのか」と。
1級は実務経験も必要なので、5年後にその試験を受けるとすると、その2年前にどこまでできるようにするか、1年前にどこまでできるようにするか。そういうことを常に考えないと、ただの職人さんで終わってしまう。
イ:常に社員の方に目標を与えているのですか?
小松崎さん:はい、まぁ大まかなものですけどね。なんでもいいんですよ。
ベンツに乗りたいとかそういう類でもね。
でも5年後いきなりベンツに乗れるわけではない。積み重ねがあって、そこにたどり着く。そのためには逆算して考える必要があります。
イ:おっしゃる通りだと思います。
職人道場をご利用いただく中で他に印象に残っていることはありますか?
小松崎さん:全体的にすごく面倒見がいいなと思いました。休みの日に飲みに連れて行ってもらったりバーベキューしてもらったり、そういうのは送り出す側としても安心しましたね。今度新しく校舎ができると聞いたのでさらに良くなるのかなと思います。(※追記:新校舎完成しました!!)
イ:あと、気持ちの面で水本さんの変化は感じましたか?
小松崎さん:仕事に対する慢心は無くなったと感じます。
イ:それはどういうところでしょうか?
小松崎さん:一応毎日電話で報告をしなさいと言っていたんです。自分なりの言葉で連絡しなさいと。そこで「想像とは全然違いました。難しいです」と。
でもその中でも「こういうことができるようになりました」と自分の言葉にちょっと自信が付いていたような気がします。
イ:そういう変化も感じていただくことができたのですね。
最後に、今後、水本さんがスキルアップしていく中で、会社としてはどう事業を展開していきたいと思っていますか?
小松崎さん:自社で施工ができるようになって、もう少し裾野が広げられるようになれば管理者を増やすか職人としてクロス屋を育てるのか、ということは考えています。
すごく大きなことを言うと、水本が5年後10年後親方になってクロスの現場で職人を何人か連れて回るというのが理想です。
また近所であれば、多少安くでも壁紙の工事ができますよというのも宣伝できるようになればと考えています。
イ:かなりできる仕事が増えますね!
ありがとうございました。
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