【業界の実態】職人の社会保険みんなどうしてる?
栃木県那須塩原市で建設会社様向けに、即戦力となる職人を育成する場を提供している職人道場です。
未経験の方や多能工を目指す方に、幅広い業種の人材育成に特化した研修場を提供しています!
職人道場は自社の新人教育制度として求人や会社のホームページなどにも掲載することができます。
この数年、一人親方の職人や中小の施工会社における社会保険加入が問題視されています。
会社員なら強制加入となる社会保険制度ですが、建設業界の重層構造は課題が多く、職人が社会保険に入れない、入りたくないなどの事情があり、「建設業界の労働者の約4割が社会保険に加入していない」という政府調査結果もあるほどです。
平成29年度以降は国土交通省の新しい指針によって、社会保険未加入のため「現場に入ることができない職人さん」も現れました。この問題にどう向き合ったら良いか頭を悩ませている施工会社さん、職人さんは多いと思います。
建築業界全体を盛り上げるために作られた職人道場としても見過ごせない状況です。今回は、この「社会保険」と「職人」問題についてとり上げ、国の「助成金」を利用した当職人道場の考える解決策をご紹介します。
職人会社の社会保険、費用はどう捻出しているの!?
職人も会社員なら社会保険が事実上必須ですが、個人事業主の職人には社会保険の加入義務がありません(注:個人事業主でも5人以上の従業員を抱えた場合、社会保険に加入義務があります)。
しかし一番気になるのはどうやって社会保険に加入しているのか、その費用をどう捻出しているかではないでしょうか。そこには正攻法ではうまくいかない建設業界の業界体質がみえます。
これまでの建設業界は、一人親方など個人事業主に発注することで社会保険のいわば”抜け道”を使ってずっとやってきました。ここにこの問題の根っこがあります。
個人事業主であれば発注側としても社会保険料を支払う義務はありませんでした。職人側も手取りの金額が増え、親方が束ねる個人事業主一人ひとりに確定申告をしてもらい、業界全体でWin-Winの関係でやってきたともいえます。
社会保険料を払ったら、建設業界も職人も成立しない?
建築業界の仕事単価は、この従来のやり方に乗っかって全部決定されています。
例えば、平米単価1000円の仕事があります。
本来は社会保険料を含めて考えると単価1200円などのところを、それを社会保険料を支払う必要のない一人親方を使うことで単価1000円で成り立たせてきました。
ところが数年前から急に事情が変わり「全員社会保険に加入しなさい」と。しかし、かと言って単価を1200円にしてしまえば仕事は取れなくなる。
大手ゼネコンの仕事では、社会保険料を別途支払ってくれる企業も当然ありますが、その様な企業ばかりではありません。これまでのやり方・単価が根強く存在する建設業界だけは仕事の単価があらかじめ決まっているのです。
単価が先に決まっていて、その単価は社会保険料を含めない基準で決まっている。また本来請求できるはずの労務費なども請求することはほとんどない。
仮に請求できたとしても産廃事業費、現場管理費など違う名目で引かれて支払われるなど。結局のところ、職人が受け取る金額は変わらないのです。
「現場に入れないから加入させる」のが社会保険なのか
冒頭にお話ししたように、社会保険に加入していないと建設現場に入れません。作業員名簿を作成する時に、社会保険を企業に見せる必要に迫られた、さあどうしよう、となるわけです。しかし「現場に入れないから社会保険に入る」というのは本来のあり方とは異なります。
そもそも社会保険は、従業員の安心・安定のためにあるはずです。現場に入るために加入するものではありません。ひいては、そういった考え方をしてしまう建設業界の過去の常識が変わっていたのです。
そして職人さんにも個人事業主から社員になることを嫌がる人がいます。
工賃から社会保険を引かれ、手取りが下がってしまうためです。例えば手取り35万円がもらっていたところ、社会保険加入で手取り31万円になることを良しとしない。
「社会保険は未来への保険であり投資だ!」といくら伝えたところで、20代なら柔軟になれるかもしれませんが40代後半の人に受け入れてもらうのは困難を極めます。そのあたりも難しい課題なのです。
社会保険に入っていった会社から経営が狂ってしまう!?
「社会保険加入で発生する費用を、元請けに対してどのように請求しているのか」
「社会保険料をどうやったらまかなえるのか」
「社会保険加入したがらない職人さんたちをどう説得しているのか、職人さんたちにどう動機づけしているか」
「社会保険」×「建設業」というキーワードだけで、いくつもの課題の入り口に立たされます。
この状況をひと言でいうと、「矛盾」しかありません。
これまでのやり方の真逆を取り入れないといけないわけです。社会保険に加入させないと今後は仕事が取れないし、加入させたら多額のコストがかかってくる。正しいことをしようとしても、職人さんからは望まれていない。辞めていく職人もいる。
彼らはこれまでと同じように一人親方で自分を雇ってくれる会社へ移ります。ということは、社会保険の加入を一番最後にした会社が一番大きな漁夫の利を得ることになり、正攻法でいく人たちが損をしてしまうのです。
社会保険制度を取り入れても業績を伸ばせる会社とは?
その中で、圧倒的なスピードで新しい仕組みに切り替え、新たな人材を確保して組織化しているのが、いま建設業界で伸びてる会社であることもまた事実です。
そもそも手取りが少なくなるから嫌だという人ではなく、新しい制度を前提にした人を入れていくやり方。安定を求める若い人材を採用する。若い世代は「安定して職人として働きたい」という志向です。今まで一緒に頑張ってきた職人さんたちへの動機づけもしつつ、新体制の職人を新しい会社システムの中に取り入れていく。
そして社員にすれば、有給休暇、残業、土日休日など出勤日など別の課題も浮上する。一般的には企業が適法の範囲内に収まる会社の制度を決めていくことでしょう。
元々社会保険・福利厚生が成り立たない単価設定の業界で、これらのことを無理くりやっていかなければならない時代なのです。
社会保険加入の最重要ポイントは助成金の活用!
人材不足の業界で人材を確保し生き抜くためにも、社員に社会保険を与えられるような会社を作っていくことは必須です。
だからこそ!職人道場では助成金を活用しているのです!
今こそ、国が用意してくれている「助成金制度」を使うときです!
助成金で人を育て、利益が出る会社をつくり、翌年に国は税金としてきっちり回収します。国の制度を最大限活用し、新しいWin-Winの関係をつくるのです。
技能の高い職人を育て、利益を生みだす。そこへ助成金が入ってきてまた人を育てることができる。単価の高い仕事をして利益を得るプラスのサイクルを作りだせる。
そのノウハウが詰まっているのが職人道場です。皆様の会社が利益を出し社会保険にも加入していけるように、助成金を活用して、どんどん新人教育に力を注ぎましょう!私達はそのサポートを全力でさせていただきます。
これらのお話しをしているのが毎月満員御礼で開催している、職人道場の説明会です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。