原状回復を内製化!多能工の職人を育成する不動産屋さんが増えています
間もなく迎える春は、言わずと知れた引っ越しシーズン。つまり、不動産業者やマンションの管理会社にとっては繁忙期ですね。
膨大な数の退居と、それに伴う入居に係る業務でお客様との様々な手続きに追われるなか、もう一方で、お客様が退居した後の部屋を原状回復させるという業務もあります。
外部の業者や職人さんに原状回復を依頼している企業は、少し前と比べて、職人さんに依頼することが難しくなってきたと感じることが増えてきているようです。
そこで今回は、不動産・管理会社にとって課題となりつつある原状回復の現状と、解決方法について考えてみます。
原状回復について、もう一度考えてみる
不動産・管理会社にとって、退去後の部屋に新しいお客様が入居すること、つまり、いかに効率よく空室を埋めていくかは、会社の利益を大きく左右することです。
そのために、新しい入居者を探すことはもちろん、原状回復させるまでのスピードも大切です。
原状回復…と一言で表しても、項目は多岐にわたります。(一例)
- 壁・クロス:汚れ、破れ、はがれ、壁の補修…他
- 床:傷の補修、日焼け等の変色…他
- 建具・ドア:傷の補修…他
- 台所・風呂場等の水回り:傷、汚れ、水漏れ補修…他
- 部屋全体:クリーニング…他
他にも細々とした作業が多くありますが、それほど大掛かりな工事ではありません。
そのため個人で仕事を受けている職人さんが多く、ひと昔前であればこの現状回復ができる業者・職人さんを探すことが容易で、しかも、比較的安価な費用で請け負ってくださっていたはずです。
もし、これまでと同様の頻度と金額で請け負ってくださっている職人さんが豊富にいらっしゃるなら、それはとてもラッキーです。
施工単価がそれほど高くない、サイクルの早い賃貸物件や築浅物件の原状回復をフットワーク良く請け負ってくれる業者・職人さんが減っています。同じ原状回復でもオーナーからの直接案件などは条件がよく、職人さんは当然そういった条件の良い仕事を優先します。これまでと同じ単価では仕事を頼めなくなりつつあるのです。
建設ラッシュと職人不足
ひと昔前までは、3K(きつい・きたない・きけん)の代名詞とも言われてきた建設業業界はイメージが払拭され、職人さんを取り巻く環境が改善されてきていますが、今でも深刻な人手不足に陥っています。
しかし、現在の「人手不足」は、少し意図するところが変わってきました。
人数自体も少ないことは変わりませんが、今は戦後やバブル期以来の建設ラッシュと言われていて、職人さんのお仕事の需要と供給のバランスが取れていない状況です。
日頃、不動産・管理会社と関わり合いがあるのは主に内装を得意とする業者・職人さんですが、内装の職人さんも、この建設ラッシュにより職人さん1人あたりに対する仕事量が増え続けています。
半年後に控えたオリンピックによる建設ラッシュは落ち着きを見せてきましたが、高層マンションや商業施設などの建設を予定している大手ディベロッパー主導のプロジェクトは、さらに増加の一途をたどっています。
大きなプロジェクトには、企業が莫大な予算を投じているため、職人さんにとって期間や賃金が安定した条件のお仕事があふれているのです。
職人がインターネットで検索する時代
職人さんの求職のネットワークは、知り合いや紹介などアナログが主流でしたが、世の中のデジタル化の波は職人さんにも広がってきていて、インターネット検索が多く用いられるようになりました。
インターネットやSNSで簡単に仕事が探せるようになった今は、さらに仕事の選択肢が広がり、職人さんは少しでも条件の良い仕事を比較して決めることが当たり前になっています。
ぜひ、地域や業務内容でインターネット検索をしてみてください。
今、まさに依頼しようとしている内容よりも好条件な掲載があったら、職人さんに選ばれないという事態が多く起きています。
職人さんの立場になってみると、単発で安定が難しい原状回復の仕事と、一定の期間決められた業務がある仕事とでは、後者を選ぶのは必然のことと言えます。
原状回復が自社で対応出来る、社内内製化
職人さんと取り巻く環境が大きく変化してきていることがお分かりいただけたところで、退去から入居までの期間を少しでも短縮することで利益の取り漏れを防ぐことが大切な不動産・管理会社は、新たな一手を打ち始めています。
自社で職人さんを雇う、つまり、原状回復施工の社内内製化です。
原状回復をするための職人さんを自社で雇うことを選択する不動産管理会社が徐々に増えつつあり、同時に、「職人道場」へいただくお問い合わせに占める割合も高まってきました。
施工の社内内製化を図ることで、こんなメリットがあります
- 職人さんを探さなくていい
- 職人さんを待たなくていい
- 作業や時間の面で、これまでよりも融通が利くようになる
1人の職人さんが多能工として活躍できれば、少ない人数で原状回復を行うことができます。ベテランの経験者を探して雇用するよりも、新人を育てる方が早い場合があります。
これまで通りの単価で仕事を頼めているのであれば、原状回復を社員を雇ってまで内製化する必要はないでしょう。もしそうでない場合や、管理物件が多く職人さんの手配がどうにも間に合わない、今後も間に合いそうにないというケースであれば内製化するメリットが出せるかもしれません。
職人道場には、最短25日で職人を育てるカリキュラムがあります。
例えば、昨日まで営業マンをしていた人が職人道場で最短25日間の研修を受ければ、原状回復の職人も兼ねた営業マンになることができます。
原状回復施工の社内内製化についてのお問い合わせは、こちらから承っております。
説明会については、こちらからご覧ください。