「建設業での外国人労働者の雇用」について
突然ですが1か月の生活を振り返るとコンビニや飲食店、ガソリンスタンドやホテルなど、日常生活で利用しているお店で少なくとも1度は外国出身者からサービスを受けたり見かけたりしていませんか。
「職人道場」でも、日を追うごとに外国人職人の研修受講が増えており、練習している姿を見ることも当たり前の風景になっています。
今回は、外国人労働者の中から「外国人技能実習生」にスポットを当ててお話していきます。
外国人労働者とは
厚生労働省の統計によると、2019年10月末時点で外国人を雇用している事業所数は21万6,238か所、外国人労働者数は146万463人。(日本人就業者は2019年12月時点で6,727万人 *統計局「労働調査」)
どちらも年々増えていて、外国人労働者の雇用が義務化された2007年以来、過去最高を記録しました。そのうち外国人技能実習生は30万8,489人で、全外国人労働者の21.1%を占めています。
外国人労働者は在留資格によっていくつかの区分けがありますが、耳にすることが多いのは「特定技能」と「外国人技能実習生」でしょうか。
建設業の「特定技能」は「特定技能1号」「特定技能2号」と分かれており、2号となると該当する業界で必要な日本語や高度な技能を持っている人で、家族を帯同することも可能です。
今回お話する「技能実習」は、平たく言うと「特定技能の前の段階」にある人を指していて、日本での技能実習の後、帰国して自国で活躍の場を広げたり、また企業によっては「特定技能」として雇用契約を結べたりします。
外国人労働者の雇用の悩み
日本の労働人口は減少傾向にあり、超高齢化社会も目の前です。
そのような状況下で今尚「外国人労働者は雇わない」「やっぱり外国人労働者は扱いが難しい」という声もまだまだ聞こえてきます。
この先、5年 ・ 10年で日本の労働人口はさらに減り、外国人労働者が増えることは紛れもない事実です。外国人雇用を経営軸の1つとして捉えることは本当に急務です。
人手不足の解消は外国人を雇い入れることだけが正解ではありません。日本人の雇用にこだわりたい場合には、これまでの記事にもありましたが「Webを駆使する」「最新技術の導入」「教育制度を整える」など何かしらの戦略は必要です!
外国人労働者を雇うということ
外国人労働者の中でも「特定技能」や「技能実習」と言われる方々を雇用するには、さまざまな公的手続きが必要ですが、お話を伺う建設業の経営者が外国人労働者の雇用に消極的な理由は、その手続きの煩雑さ以前に、3つの壁があるからだと感じています。
1つ目は、心の壁。
ひと昔前まで、私たち日本人にとって外国人は珍しい存在でした。どちらかと言うと、日本人は新しいものを受け入れることに慎重になりがちで、その名残りがまだ心のどこかに残っているように感じます。
2つ目として、もちろん言葉の壁もあるでしょう。まだ日本では、日本語以外の言語を話せる人は多くありません。日本は日本語だけで成り立っている雰囲気があります。
また、3つ目の懸念として、外国人をめぐるトラブルです。例えば、無断で帰ってしまったり、いなくなってしまったりというニュースが飛び交っています。
しかし、果たしてこれらは外国人にだけ起きることでしょうか。
日本人でも、入社3日目から急に来なくなってしまった新人さん、やる気が感じられない職人さん等、様々なことがありませんか。日本人の職人さんを3名雇い入れたとして、1名がうまく馴染めずに早々に辞めてしまった時に感じる「続かなかったか…」。これと同じことなのではないでしょうか。
外国人だからといって特別辞める可能性が高いということではないように思います。
私たちが、心の壁を取り払う
忘れないで欲しいことは、私たちを含めいつの時代も「今の若いやつは」と言っているように、目新しい存在は、いつの時でもそんな風に思うものです。20年前に「今の若いやつは」と言われてきた当時の若い人は、月日が経って、今度は「今の若いやつは」と言っているものです。
職人を育成するには、国籍に関係なく職人の数だけドラマがあります。新人職人を育成して一人前の職人として仕事を任せられるようになっても、彼らにとっては定年退職するまでドラマが続くのではないでしょうか。
私たちの方から心を開いて、異国の地で頑張ろうとしている外国人労働者をあたたかく見守っていくことが大切です。
例え失敗しても必要以上にネガティブに捉えて諦めずに、ぜひ成功するまで踏ん張っていただきたいと思います。
外国人労働者も私たちの仲間。組織全体で作っていく環境
ほとんどの場合、言葉の壁は高く感じるでしょう。習慣の違いや文化の違いを感じることもあるでしょう。しかし、私たちの経験上では、「外国人労働者を雇うこと」について正しく認識していれば何とか解決できるものです。
そして、その正しい認識は経営者だけが持っていても意味がありません。実際に、日々、彼らと時間を共にする現場の職人さん達の理解も重要です。
私たちは建設業の未来は日本人職人と多国籍の職人が力を合わせて支えていくものだと確信しています。
職人道場には、最短25日で職人を育てるカリキュラムがあります。
外国人職人の育成についてのお問い合わせは、こちらから承っております。
説明会については、こちらからご覧ください。