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【19歳女性職人の本音】求人こないと嘆く前に、建設業の経営者に知って欲しいこと

職人 求人 女性

建設業の深刻な人手不足

建設業の労働人口は年々減少傾向にあり、特に職人と呼ばれる何らかの技能を持つ労働者の減少が目立ちます。
建設業の多くの企業は深刻な人手不足に直面し絶えず求人を出しているので、求人1件当たりの有効求人倍率が高く、1人あたりの求人数はとても多いのです。

しかし建設業に根強く付きまとう「肉体労働」「古い価値観」といったイメージは、若者、特に女性離れのさらなる原因となっていて、どんなに求人を出しても応募が1件も来ないという負の連鎖が起きていると言われています。

 

今回は、人材採用のために求人を出す企業側と、求人があっても応募しない求職者側とのギャップに迫るべく、建設業界に未経験で飛び込み19歳にして左官職人として活躍している女性にお話を伺いました。

 

 

建設業に挑む19歳の女の子が語る、職人への思い

私は多能工集団「Arus」のメンバーとして仕事をしている、左官職人です。

子どもの頃からものづくりや細かい作業が好きでした。
小1の時に描いたポスターで賞をもらい、それから6年間連続で受賞したことで、絵を描くのが好きになったんです。
細かい作業をすることが楽しいし、友達からは「器用だね」「上手だね」って言われていて、中学生の頃には漠然と「将来は何かを作りたい」と思っていて、職人をイメージしていました。

 

高校3年生で就職活動をする時期に、色んな業界の求人票を見ましたが、どれを見ても興味が湧かなかったんです。改めて将来のことを考えた時に、職人のことを思い出し、勇気を出してそれを叶える道を選びました。

 

 

女性左官職人の誕生への険しい道のり

母の友人であった、じゅんさん(職人道場の講師で、女性クロス職人)が入社した「メガステップ」に、私も入社させていただきました。今は、多能工を目指す「多能工集団チームArus」に所属し、左官の研修を受けながら実際に現場でお仕事をしています。

 

職人道場で研修を受けはじめた時は、正直不安でいっぱいでした。左官には興味があったし面白そうだとも思いましたが、最初はとにかく手が痛かったんです。教わった通りにやってみてもどうしても手が痛くて気持ちが折れそうになりました。あの時が最初の壁で、それを乗り切れたのは、職人としてお手本としていた、じゅんさんが傍にいて見守ってくれたからだと思います。

 

いつも見ていてくれる人がいることが心の支えになることを実感したと同時に、小学生の頃に友達から褒められたことがきっかけで、絵を描くことや細かい作業をすることがもっと好きになった時の感覚がよみがえりました。
見ていてくれる・応援してくれている人の存在は、苦しい時を乗り越えられるパワーになるんだなと思っています。

 

 

現場に出てから見えてきた壁

Arusのメンバーとして実際に現場でお仕事をさせていただいている中で、当たり前ですが、道場との違いを感じます。

道場では、できなくてもやり遂げなければならない。言い換えれば、教えてもらった通りにやったらできるようになるんです。決められた階段を言われた通りの方法で1段ずつ上がっていくイメージです。いつも自分が何段目にいるかが分かっていました。

でもお仕事として実際に現場に出てみると、教わっていないことばかりで、階段を上っているのかどうかがわからなくなるような不安な気持ちになりました。

例えば、養生」にしてもチリ養生については教えてもらっていたけど、メッシュの貼り方はまだ細かく教わっていませんでしたし、「塗る」時も道場では塗るだけでしたが、実際には「こすり」という下塗りも必要だったりしたためです。

1か月の研修で全てができるようになるとは思っていなかったけど、現場で初めて知ることがある度に 「分からない、できない」と自信がなくなってきたし、「やっていけるかな」と戸惑って、どうしたらいいのか分からなくなりました。

 

 

自分のことを見てくれている先輩職人

Arusでは、たけるさん(職人道場の講師)が、私のできること・まだ知らないことを把握してくれていて、不安になった時は「あの作業の応用だよ」とか「まだ教わっていなかったね」と教えてくれます。

教わったこと・教わっていないことを先輩が把握してくれていたことは、私にとって大きな安心材料になりました。
できないことに対して、頭ごなしに叱ったりせずに「これは教わっていないから、できない」と、誰かが分かっていてくれることが有り難かったです。

 

もし、職人道場で学ばずにいきなり左官として現場に飛び込んでいたら、今頃はもう親方と一緒にやれていないと思いますし、研修で教わったことを誰かが把握してくれている環境でなければ、上るべき階段を見失って、常に暗いトンネルを歩いているようは気持ちがしていたのではないかと思います。

 

1日として同じ日はない現場では、技術と知識が追いついていかないし、そんな状態では勉強しても身につくまでにもっと時間がかかると思います。「分からなかったら何でも聞いて」ってとても親切な言葉ですが、何が分からないのかも分からない状況では、そもそも何を聞いたら良いのかが分からないし、なかなか聞きにくいんです。

 

 

女性職人として、働きたいのはこんな建設業

私が建設業で仕事をしていて、前向きに仕事に取り組むために大事だなと思うことが2つあります。

1つ目は会社の雰囲気、人間関係です。
メガステップは、みんなとても仲が良くて、社長や先輩達も優しくしてくれるので、気兼ねなく話ができる環境です。社長は、私が何かを言う前に「最近どう?」と言ってくれます。

そんな風に気にかけてもらっていることが嬉しいです。だから毎日、今日も頑張ろうって思えるし、ここが私の居場所で、これが私の仕事なんだという自信にも繋がっています。

 

2つ目は、自分がやりたいことができる環境です。
周りの先輩たちが私のことをちゃんと見ていてくれて、教えてくれるからこそ安心して仕事ができます。

甘やかすという意味ではなくで、分からない時やミスをした時に、こうやるんだよって教えてくれることです。
そうすると、次は自分でできるようになろうと思えてきて、同じ場面になった時に自分の中で納得して次のステップへ進めることができます。
小さな達成感が積み重なると、だんだんと大きな達成感を味わえるようになってきて、仕事が楽しいと思えるようになるんです。

最後の最後に全部塗り終わった後、私が手掛けた空間を見渡したときの達成感は、一度味わったらたまらなくなります。あの感覚をまた味わいたくて、どんなにきついと思っても頑張れているんだと思います。

 

 

建設業で、求人こないって嘆いている社長がいたら、女性の職人として伝えたいこと

職人への道を選ぶ時点で、友達の中でも私は根性がある方なのかなと思いますが、何も知らずに建設業に飛び込むことはすごく勇気のいることでした。
そういう私達が「ここは自分の居場所」と思えるような、社内の環境を整えて欲しいです。
経験豊富な職人さん達からしてみたら、若い私達の日々の小さな進歩は見えにくいかもしれないけど、でも「ちゃんと見てくれている」と実感できることが励みになるので。

 

仕事を辞めたいって言っている同業の友達は結構います。
理由を聞いてみると、「この仕事が好きじゃない」「上司がうっとうしい」が多いですが、この2つって本質的には同じなのかなって思います。
もしかしたら職場の環境や上司との関係が良くなくて、職人の仕事の面白さを知らないままなんじゃないかと。

失敗して怒られると落ち込むし反省もしますが、1回目は仕方ないし指摘してもらって有り難いと思えます。
その次に同じことやった時に、頑張ってやったことが伝わっていなかったり汲み取ってもらえていなかったりして、1回目と同じようにまた怒られる。

1回目と2回目ってどこかに違いや成長が表れてるはずなのに、それに気がついてもらえないと、「この仕事が好きじゃない」「上司がうっとうしい」となって、結果的に「私の居場所はないんだ」って辞めてしまうんだと感じています。

 

できなくて叱られたから辞めたいなんて思いません。
叱られたくないとか気を遣って欲しいとかではなくて、もし、次もできなかったとしても、前回より少しでも進歩したところ、つまり前回との違いを汲み取って欲しいです。それが「ちゃんと見てくれている」ということなのです。

 

そういうことの繰り返しが職人としての自信に繋がるので、建設業の会社で働く若い人達みんなが私のような環境だったら、求人を出しても応募が来ないとか人がすぐに辞めるといったことは起きないんじゃないかなと思います。

 

建設業 求人こない

 

はつねさんのように、希望を持って建設業に飛び込み職人を目指す若者の芽を育てていくには、単に外部研修の機会を与えるだけでは足りないことがよくお分かりいただけるかと思います。
経営者の方々にはぜひ「職人道場」を見学し、研修制度や社内組織を見直すきっかけとしていただきたいです。

LINEからもご質問いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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