女性職人を採用したい企業、女性職人になりたい人に知ってほしいこと
即戦力職人の育成、多能工職人の育成、工事部門の内製化サポートを行っている職人道場です。
今回は女性職人を採用したいという経営者の方々や、現場で職人として活躍したいという女性へ向けて、建設業界における女性職人の現状・女性職人だからこそできること・女性を雇用する際の企業側の心がけなどについてです。
職人道場から誕生した多能工集団「チームArus」では19歳の女性職人が活躍しています。もともと絵を描いたり細かい作業をすることが好きだったという彼女が、どうすればより充実感を得ながらスキルを磨いていけるのか。私たちも日々考えています。
その経験から少しお話ししたいと思います。
女性職人を採用したい!現場はこう変わる
以前より業界全体には女性が増えたとはいえ建設現場はいまだに男性が圧倒的に多いです。現場監督などでは女性を見かけることもありますが、「女性職人」となるとまだその数は少ないままです。
よって、現場に女性が入るだけで雰囲気が華やぐことは間違いありません。建設業界は男気のある職人さんも多く、自然と少し優しくなれたり、後輩のミスにも寛容になれたりします。そのため現場の雰囲気が柔らかくなる良い影響があります。
また女性職人が力仕事が必要な時には助けてくれるなど、そういった配慮は誰かが何かを言わずとも自然に出てきます。
しかし、注意したいのは女性がその場にいるだけの存在になってしまうと、キャリアや技術の向上につながっていかないということ。
Arusで女性職人の育成をし、現場での姿を見ていると、女性は一つ一つの作業が正確かつ丁寧だと感じます。特に仕上げ作業の精度はかなり高いです。
女性職人を採用したい企業では、このような女性の良さを生かした役割を任せ、楽しさを知ってもらい、成長を促すことを考えていくことがとても重要だと感じます。
女性が職人になるきっかけと労働環境
一昔前は今より現場に女性職人が多くいました。どんなことがキッカケで女性職人が生まれていたのでしょうか。
過去に聞いたことがある話で言えば
・実家が建設業で跡を継ぐ
・彼氏や先輩が建設業で誘われた
といった理由がほとんどでした。
一方最近増えてきたのはものづくりの仕事に惹かれて女性職人になるという人。
少し前からDIYが流行り、「ものづくり」という言葉がよく使われるようになりました。いままで建設業とは離れた世界にいた人たちも「ものづくりは楽しそう」「ものづくりが好き」という理由で職人の仕事に興味を持ってくれるチャンスが増えているのは明らかです。
しかし多くの人が建設現場や会社がどうなっているのか、実際の職人の仕事については知りません。「女性職人になりたい」と興味を持った人が、どうすれば採用された会社で働き続けていけるのか。現場の労働環境だけでなく、雇用条件は吟味されるポイントになってくるでしょう。
例えば朝早くから夜遅くまで働き詰めなのにもかかわらず残業代が出ない、日給制で社会保障制度もない。
このような環境で女性が働き続けるのは難しい。他業界での勤務経験があればなおさら労働条件は比較されてしまいます。
女性に活躍してもらうために
女性職人を採用したい企業は、これまでの「当たり前」にも疑問をもって改善していくことが大切です。建設業では普通なことが、これから女性職人を目指す人にとっては当てはまらないということは沢山あると思います。
採用する企業は女性のライフスタイルや体力・腕力・仕事の危険度などを鑑みて、女性職人がどこまでの作業ならできるだろうかなどを考え、仕事内容を設定していくと良いでしょう。
きちんと活躍してもらうためには女性職人が自立できる分野を模索し、少しづつ道をつくっていくことがポイントです。
女性職人になりたい方!長く勤められそうな会社を選ぶ。
これは女性に限らず新人職人や職人志望の方全員に言えることですが、仕事を選ぶ時には長く働けそうかどうかをしっかり考えてみましょう。
今、建設業界にはかなりの速度で変化が起こっています。テクノロジーによる技術面だけでなく、ワークフロー、人事、採用、営業、管理業務といったあらゆる側面で新しいサービスがどんどん生み出されています。
社員の働きやすさを最重要として働き方を見直す、会社の方針を見直す、全社での取り組みを始めている職人会社も多数存在しています。
先輩のツテというだけで就職先を選んだり、近所だからというだけで選ぶのは、もしかするともったいないことなのかもしれません。
職人としての現場での作業内容であったり、使用する技術などはどの会社に入ってもそう大きくは変わりません。しかし、営業力・雇用条件・どんな人が働いているかは、会社によって大きく異なります。人生の大変を費やす仕事の時間をどんな環境で過ごすのか、ご自身で様々な企業を見て選んでほしいと願っています。
心の底からここで働きたい!と思える会社をぜひ探してください。