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職人道場を始めるまでの軌跡

代表者が語る。職人道場を始めるまでの軌跡。

 

栃木県那須塩原市で建設会社様向けに、即戦力となる職人を育成する場を提供している職人道場です。
未経験の方や多能工を目指す方に、幅広い業種の人材育成に特化した研修場を提供しています!

職人道場は自社の新人教育制度として求人や会社のホームページなどにも掲載することができます。

 

ここから職人道場の代表である小山に、職人道場を立ち上げるきっかけや経緯について取材したインタビューの連載記事をお送りします。

 

「即戦力の育成」にこだわって作られたカリキュラムや教育の仕組みがどのように生まれたものなのか。ぜひ最後までご覧ください。

新人教育

 

■昔ながらの教育方針に感じていた違和感

 

インタビュアー(以下:イ):満を持して実現したこのインタビューです。

職人道場を立ち上げるまでの歩みについて余すところなく伺いたいと思います。小山さんが建設業の新人育成の場を設けようと思った最初のキッカケは何だったのでしょうか?

 

小山:最初は自社内で教育の仕組みづくりを始めたところからです。

昔から職人は「見て覚えろ」「仕事は盗め」と言われていて、私も左官職人としてそうして育ってきました。誰も仕事を教えてくれず、ひどい時は先輩の職人が仕事を見せてくれなかったりしました。その時から、建設業界特有の教育方針に違和感があったんです。

 

イ:先輩が仕事を見せてくれないのはなぜですか?

 

小山:例えば地震とか災害で崩れた蔵を修復する仕事があります。これは伝統的な仕事で、できる職人が限られているんですね。なのでどういう仕事をするのか現場を見に行ったら、自分の作業するスペースにブルーシートを貼って、誰にも仕事を見せないんです。盗みようもない。

自分の腕が商品である建設業界というのは、昔からそういう感じだったんですよ。

 

イ:自分の大切な技術は教えたくないということですか。

 

小山:そうでしょうね。自分にしかできない特別な技術が他人にバレたら自分の立場が弱くなりますから。そういう環境の中で私は仕事をしてきました。

 

閉鎖的なままでいては絶対にダメだと、長年思っていました。

職人道場を運営する「株式会社メガステップ(左官・防水工事会社)」を作ったのも、「最近の若い奴はダメだ」って言われたことをどうしても払拭したかったのが始まりです。若い人間でもできるんだ、そう証明するために会社ができていったようなものです。若い人は認めない、抑え込んでおく。これが当時の大人たちの考えでした。

新人教育

■即戦力の職人育成を始める発端

 

イ:自社の研修所を始めることになった、具体的な経緯があれば教えてください。

 

小山:当時のメガステップには40人の職人がいたのですが、一気に20人が辞めたことがあって、その時に「このままではマズイ…」と思いついた程度です。「よし!研修所をつくろう!どんどん即戦力の職人を育てよう!」って。

この時はまだ自社の存続しか考えられていませんでしたけどね。

 

 

イ:研修所を作った結果、どうなったのですか?

 

小山:仕事はすぐ覚えましたね。誰だって教えたらできますし、工夫すればもっと早くできる。結局コツです。

イメージは、最初は「車の免許」を思い浮かべました。学科があって実技があって。車の免許というのは合宿なら2週間で取れる。車は扱い方によっては凶器にもなりうるのに、その免許を2週間で渡す。それなら壁を塗るのに2週間あったらどれだけできるんだ!と思いました。

 

でも初めて見ると実は全然違いました。車の免許は、相手が機械なんですよね。

壁を塗るのは相手は機械ではなくて生物です。それで何か近いものはないかと考えた時に、これだ!と思いついたのがサッカーでした。

 

イ:サ…、サッカーですか!?

 

小山:サッカーって、ドリブルするのに「ドリブルの練習」をしないんです。

まずボールの上に右足左足と乗せたりしてボールと友達になってから、そこでフェイントしたりドリブルをする。カラーコーン立をてたりして。ボールと友達になるのが先。「これだ!」と思いました。

 

それからもう一つは、スイミングスクール。

 

スイミングスクールは、例えばバタフライができるようになるまでに300個シールが必要なんです。水に5秒間顔をつけたらシール1つ、ビート板で泳いだらシール1つ、みたいに順を追って自分のペースで成長できる。逆に、2人の生徒が同時に入っても、1人だけがどんどん進んでいくこともあるし、休んだらその分置いていかれる。だからって突然手の届かないところに行くわけではない、だから切磋琢磨できる。

 

シールというご褒美があって、どんどん階段になっているから「次はここまで行こう!」と小さな段差を登っていけば、気づいたらどれだけ自分がバタフライに近づいているのかが分かるんです。どこが得意でどこが苦手なのか、どこを改善すればいいのかも明確になります。

 

職人道場も1個ずつ小さな階段を作って、セルフモチベーションの仕組みで追求しました。

作業の全てを分解して。

サッカーのドリブルも右足の表側、裏側とかつま先を全部バラして練習している。それが一つの試験になっていて合格したらシールがもらえる。そういう仕組みで少しずつスキルを身につけていくということを職人道場では意識しました。

 

 

イ:なるほど!そうして職人道場の新人育成ができていったわけですね。ありがとうございました。

 

次回は「研修」に取り組み始めてからの気付きについて聞いていきたいと思います。

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