親方が教えなくても売上が上がる。外国人社員さんと道場活用のメリット<後編>
栃木県那須塩原市で建設業の「新人育成」、即戦力職人を育成している職人道場です。
幅広い業種にて研修を提供し、それぞれ考え抜かれたカリキュラムで未経験の方、多能工を目指す方、日本に来たばかりの外国人社員さんなど、徹底指導しています!
本日は、先日3名の外国人社員の方に研修を行った株式会社カラーズ増山社長のインタビュー後編です。研修を経てて、3名は周囲にどんな影響を与えているのでしょうか。聞いて参りたいと思います!
■しっかり研修できたことで、負のサイクルの発生を防ぐことができた。
イ:(前編で増山社長が挙げた3つのメリットについて)
現場に入る前にきちんとした研修がなければ、社内で先輩があらゆることを全て教えるわけで、外国人の方が馴染むまでに時間がかかりそうですね。
増山社長:そうですね。
母国の学校では、日本語を話していても授業が終われば現地の言葉で友達と話をしたりするわけです。だから実践的な経験は向こうではできていないんです。研修をしていなかったら逆に彼らが可哀想だと思いました。フィリピンで学んだ言葉と現場では全然違うからそれは問題が起きますよね。
実際に現場に立ったら周りの人間は全然違う言葉を話す。そうなると何もわからないから言われた仕事ができない。「わかりません」じゃ済まされない。残念だけど仕事だから。親方はそれを見たら絶対現場で怒りますよね。「使えないやつだ」という話になってしまう。すると仕事を任せてもらえなくなる。
彼らは仕事の始まりから終わりまで皆が何を話しているのか一切わからない。怒られるし、先輩はイライラするから負のサイクルが起きてしまいます。彼らだってやる気もあるし、頑張ってやろうと思って日本にやってきたのにそれでは可哀想です。
周りの話を聞いているとそれで辞めるパターンが多いように思います。しかし「ちゃんと彼らに言葉を教えてあげたんですか?」と私は聞きたいです。それをきちんと研修期間をとって、指導に慣れた講師につけるだけで変わると思えば、とても楽な話ですよね。
イ:会社内のコミュニケーションはどうですか?
増山社長:100%が満点だとすると、70%くらいです。正直…言葉に関しては習得できても20%くらいかなと思っていたので本当にびっくりしました。難しい言葉はわからないのですが、残りの3割も英語を使ってコミュニケーションを取れています。逆に私たちも英語の勉強になっています。
イ:ではほぼ100%コミュニケーションを取れてるってことですね。
増山社長:そうです。私の娘は小学校1年生で英会話教室に行っていますが、娘とも簡単な英語で言葉を話してくれて勉強になっています。
■外国人社員の働きぶりを見て、日本人の若手社員が刺激を受けている。
イ:いいですね。あと、日本人の職人さんも刺激を受けているとお聞きしました。
増山社長:そうなんです。それって弊社以外でも起きている連鎖反応なんです。外国人社員さんが来ることで、日本人の若手にプレッシャーがかがるんです。日本人は外国人社員がいかに優秀かということをあまり知らない。目の当たりにしていないから。
日本人の子に職人道場の話をすると、最初は嫌な顔をしていました。研修なんて受けたくないと。
ただ外国人の子達の姿を見て、あまりの仕事ぶりに驚いているようです。嫌がっていた日本人の2人も感化されて、行きたいと言っています。
研修と聞くと、勉強というイメージが強かったのだと思いますが、外国人の子たちがSNSなどで様子を写真でアップしたりしていて、レジャー施設も整っていて楽しそうだったんでしょうね。「職人道場ってどんな施設ですか?」「楽しそう」「羨ましい」とよく言っています。
あの場所と講師はすごいですよ。1年間現場でやることと同じくらいのことが凝縮されて覚えてきているという印象です。
■少子高齢化で人手不足。固定観念を持たず、制度を活用してほしい。
イ:それでは、最後に。
外国人社員さんの活躍を伺いましたが、まだまだ受け入れに抵抗がある職人会社さんもいっぱいあると思います。そういった方に向けてメッセージをいただきたいです。
増山社長:まず、何を持って抵抗があるかによりますよね。一度彼らを採用して色々と試したけど、ダメだった。そう言うのは理解できます。しかし制度を使ったことがないのに判断しているのならば、まずはやってみて欲しいです。しっかりとした制度があるわけですから。
彼らは良く働きます。
でも外国人の社員がフィリピンからきていますと言うと「仕事できないだろ」「サボるだろ」とか平気で言う人がいるんです。どこでそんな固定観念を持ったのか。日本人でもサボる人はいますよ。
そんなことに国籍は関係ありません。今までの外国人社員は欠勤もなければ遅刻もありません。寮として一軒家を買ったのですが、外で掃除しているおばさんがいたら、みんなすぐにほうきとチリトリ持ってきて一緒に掃除を始めます。みんなでやったら早いです、といいながら。そういうこともできる人達です。
イ:それは素晴らしいですね。なかなか出来ることではないと思います。
増山社長:人を先入観で見てはいけないと思います。外国人社員を受け入れたけど使えないし逃げた、と言うのなら、どういうところに住ませたんですか?生活環境は整えましたか?携帯電話は買い与えましたか?エアコンはつけましたか?ちゃんとコミュニケーションはとりましたか?そう言うことを聞きたいですね。
そんなことをしていたら当然親方の言うことなんて聞きません。
うちは寮として一軒家を買った。テレビを買ったりエアコンや環境を整えたり、iPhoneも購入して支給しました。全て新品です。
イ:そこまで整うともはや国に帰りたくなくなりそうです。(笑)
増山社長:実際帰りたくないって言っています。カラーズに来てよかったと言ってくれてます。
彼らはセブ島で100人くらいのクラスで勉強していたから、日本に来た時に100人くらい友達がいるんですね。だから別の会社に入った他の子たちの生活もなんとなくわかってしまう。
私は彼らにスマホを買い与えましたが他の会社ではないと言うし、4畳とかに何人も暮らしていることもあるみたいです。そう言う情報が私にまで入ってくる。彼らの扱いを悪くしているとすぐに周囲にバレますし、逆に言うとよくすればちゃんと感謝されます。
イ:他にメッセージはありますか?
増山社長:自由にこの制度を使って欲しいです。会社がしっかりしていないと使えない制度ですけが、逆にこの制度を使おうとすれば企業体質がしっかりすると思う。いい会社づくりができると思います。
衝撃的なことを言うと、彼らが研修を受けてすぐに現場に行かせたんです。
松田で1000㎡くらいの塗装ですね。それで現場に着いたら手際よく作業を始めたんです。現場の親方は何も言っていないし教えていないのにですよ。それで3日間で60万円から80万円の売り上げを上げてきた。道場から帰ってきてすぐですよ。これって信じられないことです。
イ:3日間でそんな売り上げを上げてきたって、現場の親方も相当びっくりしたんじゃないですか?
増山社長:そうなんです。彼らは本当に真面目に仕事に取り組みますから。
イ:頼りにされると本人もやる気が出そうですね。
増山社長:そうです。制度はちゃんと使った方がいいです。日本は少子高齢化ですし人が足りないんだからそういった子達に頼らないといけなくなるんです。
雑な扱いをしてはいけない。日本人の和の心もいいけど、フィリピン人のハートも素晴らしいです。彼らは家族をすごく大切にするし仲間も大切にする。彼らから学ぶことはたくさんあります。ですから、ぜひ家族を迎え入れるような気持ちで外国人社員を受け入れてあげて欲しいです。
イ:とても情熱的なお話、ありがとうございました。これからも外国人社員さんの活躍に乞うご期待ですね!
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