外国人社員とうまくいかない原因!日本語の教え方と現場の実情
栃木県那須塩原市で建設業の即戦力職人を最短期間で育成している職人道場です。
幅広い業種にて研修を提供し、それぞれ考え抜かれたカリキュラムで未経験の方、
多能工を目指す方、日本に来たばかりの外国人社員さんなど、徹底指導しています!
いま、ニュースでも外国人の方々の労働力が話題になっています。
これからどれだけの人が日本で働くようになるのか、そして建設業はどうなるのか…。
その辺の気になるお話は職人道場の説明会で毎回じっくりお伝えしていますが、
一方で外国人社員さんの採用を進めている建設業の中小企業も急増し、日本人社員と外国人社員の人間関係が悩みのタネとなっているケースが多いようです。
今回、職人道場の講師たちに聞いたエピソードは、そのような外国人社員さんとの人間関係に悩む企業、親方、先輩方にはとてもヒントになる話かもしれません。
■一番のハードルは言語の違い
インタビュアー(以下、イ):講師の皆さんに聞きたいのですが、建設業の経営者の方々の中には「外国人は採用しない」とか、「人間関係がうまくいかない」とおっしゃる人がいますよね。その理由はやっぱり言葉の壁が大きいのでしょうか。
長口:はい。だから職人道場では日本語の教育も抜き打ちテストを実施したり、徹底指導しています。
ちょうど興味深い話がありますよ!
先日の石川さん(道場講師)の話ですけど…
ベトナム人の子が、マスキングを貼っていて、石川さんはそのテープを「切っていいよ」って言ったんです。
でもその言葉が通じていなくて、次に「切れ」と言ったらその子はてっきり「切れ」を「綺麗」と勘違いして、
「綺麗に貼れ」と言われているものだと思ってテープを剥がしては貼って…剥がしては貼って…という動作を繰り返していたんです。可哀想に。(笑)
石川:何をしているんだろうと思ったら、「綺麗に!」「もっと綺麗に!」って言われてるんだと思っていたそうです。。。
でも本当にそういうちょっとした言葉の違いがわからないんです。だからそういう事態が現場で起きる。
イ:現場で指示を出している時の親方の心境って、どんな状態なんですか?
急いで終わらせないと!って、焦ってたりするんですか?
石川:最初はそんなことなくて、優しく伝えられるんだけど、それが通じないと徐々に「だから切れって言ってるだろ!」というイライラに変わっていきますよね。
さっきの話も、その時の心境としては「切っちゃっていいよ、もう一回上から貼れば良いんだからさ」っていう場面だったの。
だけど、
「切っていいよ」→(研修生:剥がして貼る)
「だから切れって」→(研修生:剥がして貼る)
「いやいや、切れよ!」→(研修生:剥がして貼る)
こうなると今度は、本人は意地になってどうにか切らないで貼ろうとしてるもんだと、こっちが勘違いを起こすわけ。
親方からはそういう風に見えるの。
そうすると、「人の言うことも聞かないでどうにかやろうとして…(怒)そこでテープ切っちゃえよ!(怒)」って、余計なストレスが発生するわけ。
話だけ聞くと笑い話みたいだけど、これが現場だったらストレスになっていくわけ。
でも怒ったところで本人はポカーンとしちゃうから。
本人は「綺麗に」って言われてると思ってるから、頑張ってOKもらえるまで何回も貼り直そうとしてるんだから、それで怒られたら可哀想だしモヤモヤが溜まっていきますよね。
長口:ここ(職人道場)ではまだ皆が気持ちに余裕があるから、勘違いを起こしているなと発覚したんです。
同じセリフが何回も聞こえるな〜と思って私が間に入っていって、本人に「貼ってどうだった?」って聞いたら
「私は綺麗に貼りました。なぜ何回も言われてるのかわからない。」って。
あ!そういうことか!って、この、間に入る”第三者”が現場にはいない。
現場だったら怒って「もうあっちいけよ!」って言われてしまう。
それだけならまだしも「あいつは人の言うことを聞かない」「理解しようとしない」と、勝手にレッテルを貼られてしまう可能性まである。
そうすると「日本語通じないし」ってそれで終わっちゃうんです。
イ:リアルな話ですね。
石川:本当にリアル!
■外国人社員さんのための、日本語教育
イ:では職人道場ではどのように日本語を指導しているのですか?
長口:みんなで「職場の教養」を輪読します。
文章の「。」までを、一人ずつ読んでいきます。
そこで日本語の区切り方、日本語の「〜を」「〜で」などで区切って読むというのを教えています。
それがないと聞き取りづらい言葉になってしまうので。文章に線を引いて、講師が読み方をチェックします。
それを15分位やって、そのときに覚えていない単語を練習したり。
イ:どういう単語を教えているのですか?
稲本:例えば「取る」という言葉も、日常では「それ取って」「それ取ってください」と状況に応じて言い方が変わりますよね。
丁寧な言葉で覚えてきているので、「取ってください」しか知らないと、「それ取って」と伝えても理解できないんです。動けない。
なので同じ意味のことを言われていても、わからないんです。
だからそれを「取ってください」「取れ」「取っといて」というバリエーションの違いも教えています。
他にも「渡す」「渡して」とか、「移す」「剥がす」「浮く」とか、現場で起こりそうなこと。
また、こっちが指示したいこと。例えば「それ剥がしておいて」とか。
イ:言い方のバリエーションの他に、教えているのはどのような言葉ですか?
稲本:道具の名前ですね。
業種ごとに覚える名前が違うので、写真の一覧があって、
これは左官用、塗装は塗装用と分かれています。
全部、道具やよく使う材料などが載っている一覧を最初に渡しているので、覚えてきてもらって抜き打ちでテストをします。
練習している合間に写真を見せて、この道具の名前は何?って。
だから常に勉強していないと、いつテストされるかわからない。
そういう緊張感をつくっています。
あとは道具や材料の用途、それぞれの材料を何に使うのか、例えば高圧洗浄機は何のために使うのかとか。
この作業は何のために必要なのかとか、作業の意味や理由を理解してもらうことが大切です。
そのための動画も見てもらったりしていますし、ときには彼らの母国語で教える場面もあります。私はまだ勉強中ですが、母国語で理解してもらった方が早いこともあるので。
イ:オリジナルの教材が整っていますね!
職人道場で研修を受けた外国人社員さんたちはみんないきいきしてます。
講師の皆さんありがとうございました。
すでに外国人社員さんを採用している企業さま、またこれから採用をご検討されている方、日本語の教育や人間関係の不安は職人道場にご相談ください。
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