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職人の社会保険、日給1000円アップに潜む危険性

栃木県那須塩原市で即戦力となる職人を育成する「職人道場」です。
未経験の方や多能工を目指す方に、考え抜かれたカリキュラム、研修の場を提供しています。

 

今回は建設業の職人の社会保険、給与についてです。

 

日給が基本ベースの職人の世界では「頑張っているから日給1000円上げるよ」というのが当たり前とされてきました。しかし…いま社会保険の加入が絶対条件の中で、日給1000円アップの会社の負担は1000円で収まりません。

この疑問について考えていきたいと思います。

 

日給1000円アップは月給2万5千円アップ

1日の給料が1000円アップするというのは、月給で考えると2万5千円も給料がアップしていることにお気づきでしょうか。一般的な固定給の会社で考えると、いきなり2万5千円月給がアップするなんてことは非常に稀です。

健康保険や厚生年金、雇用保険が含まれる社会保険の会社負担。毎年何万円もの金額を負担していることと思います。

今までの様な給与の上げ方を何の気なしに継続していると、実は非常に恐ろしい自体になりかねません。また、ここ最近「固定給制」を採用する職人会社も増えてきましたが、実際のところ今までの職人は変わらずに日給月給、新入社員には固定給とする会社が多いように感じます。祝日などの休みがあっても会社が給与を補填する分、当然これまでと同じ金額では固定給にはできないからです。

相当根気強く職人に理解を求めなければ納得には至らないでしょう。

 

職人が新しい職種にチャレンジしにくい原因は「日給」という文化にもあった

またもう一つ、日給という制度の大きな特徴に気が付きました。

固定給と比較した場合、固定給の一回の昇給はそれほど大きくならないケースが多いのでは無いかと思います。徐々にスキルを身に付け緩やかに昇給していくでしょう。1ヵ月5000円の昇給でも日で換算すると200円です。

それなら一つの職種で十分出来るように成長した後に、そのままの給与額で別の工種にチャレンジし多能工を目指してもらうというのも現実的です。

 

職人の社会保険

 

一方これが日給だった場合、入社3ヶ月で1000円アップ、半年で1000円アップを繰り返し、技術が成熟した頃には日給1万5千円の職人になっていたとします。この人が多能工を目指し、別の職種を一から学び直すとなると、まだ何もできない状態で会社は1万5千円の日給は支払えないでしょう。

ともすれば、新しい職種を身につけるためには給与が下がることを前提にトライしなければなりませんし、給与が下がってまで挑戦したいという職人もほとんどいないのではないかと思います。

 

ポイントはこれからの給与制度の作り方

ではこの先何が大切になるのか。

まず社会保険のことも踏まえ、これまでの建設業の文化のように「なんとなく長く働いているから」「最近やる気が落ちているようだから」と言ったその場の雰囲気で昇給を決めるのは控えたほうが良さそうです。

そしてこれから入ってくる新入社員のために昇給の基準を明確に定めておくことです。何が出来るようになったらどのくらい給料が上がるのか。また長期スパンでその人にどこまでのスキルを身につけてもらうのか。

多能工として育てるのであれば、多能工を前提とした給与設定が必要になるということです。

 

 

採用などでも企業の話を聞くと、高校生など特に「固定給」にこだわる人が増え、保護者もそれを望んでいるとよく聞こえてきます。今回の給与についての話はこれから固定給に切り替える際のヒントにしていただけますと幸いです。

 

 

職人道場では多能工集団チームArusの育成と拡大に取り組んでいます。

その課程での発見や気づきを説明会でもお話しています。職人会社の将来を一緒に考える説明会、ぜひ一度聞きに来てください!

 

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